必要な機材
最初に言っておきますが、この機材が全てではありません。実際はもっと色々な機材で撮影できます。以下簡単に紹介しておきます。
①アナモルフィックレンズアダプター(プロジェクター用)
これは本来プロジェクターに使用するアナモルフィックレンズを専用のアダプターを使ってカメラのレンズに取り付けて撮影するスタイルです。
この場合、フルサイズのカメラだと100mm以上、APS-Sサイズだと75mm、マイクロフォーサーズだと50mm以上の焦点距離のレンズが必要です。それ以下の焦点距離だとケラレが生じます。
また、カメラのレンズは前玉がピント調整時に回らないレンズが必要です。アナモルフィックレンズアダプターは特定に向きで固定しておかないと撮影できませんので。
アナモルフィックレンズアダプターとカメラのレンズを接続するアダプターは国内では入手しずらいかもしれません。私は海外から購入しました。
また撮影の際は、アナモルフィックレンズアダプターとカメラのレンズの両方のピントを合わせる必要がありますので、動いている被写体を撮影するのは至難の業です。
②アナモルフィックレンズアダプター(カメラ用)
このレンズはカメラ用レンズに装着することを前提に作られたアナモルフィックレンズアダプターです。SLR MAGICというメーカーのレンズが有名ですね。16:9で撮影する際は1.33×のアダプター、4:3で撮影する際は2×のアダプターを使用します。こちらも必要なレンズの焦点距離はセンサーサイズによって決まっています。
またピントもそれぞれのピントリングを回して調整しないといけません。
しかしそこは専用アダプターだけあって、このアナモルフィックレンズアダプターは前玉にねじが切ってあるので、このアナモルフィックレンズアダプターの前にレンジファインダーという専用のレンズアダプターを装着するとピント調整をそのアダプター一つで調整出来るようになります。
③アナモルフィックレンズ
これは言わずもがなアナモルフィックレンズです。マウントもPLマウントやEFマウントなど用意されているのでそのままカメラに装着して使用します。とにかく価格が高いです。画像のレンズで300万円ほどします。
④アナモルフィックフィルター
これは厳密にいうとシネマスコープサイズにする為のアイテムではありません。アナモルフィックレンズ特有の楕円形のボケやアナモルフィックフレアを疑似的に演出する為のフィルターです。
なのでこのフィルターを付けて撮影して、レターボックスを付けて編集すると、まるでアナモルフィックで撮影したかの様な写真に仕上げる事が出来ます。ちなみに私も昔購入して使用していた時期があります。“vid-atlantic”のフィルターが特に有名かなと思うので一応リンクを張っておきます。
編集方法
一般的にはレターボックスを用いた編集方法が有名ですが、この投稿ではそれには触れません。あくまでもアナモルフィックレンズを使用したシネマスコープサイズ写真の編集方法についてご紹介します。
①アナモルフィックレンズ(アダプター)を付けて撮影
アナモルフィックレンズアダプターを付けて撮影するとレンズによりますが、横方向が圧縮された状態で写真が撮影できます。
キヤノンはアスペクト比を4:3でも記録できますが、私の使用しているソニーでは3:2か16:9でしか記録できません。この画像は4:3にトリミングしてあります。そしてこの画像の横側をもとのサイズ戻します。※アナモルフィックレンズ(アダプター)によって圧縮の倍率が変わるのでそれに合わせて戻します。
Photoshopで”イメージ”→”画像解像度”の順に選択して横側の%をアナモルフィックレンズの倍率に合わせて引き伸ばします。※2×のアダプターだと200%です。
4:3を2×のアダプターで撮影した場合、4:3(1.33:1)の2倍になるので2.66:1の比率になります。シネマスコープサイズは1970年に定められた最新のSMPTE規格2.39:1か、一般的にシネマスコープのアスペクト比と言われる2.35:1なので、”長方形選択ツール”を使用して2.39:1か2.35:1の比率でトリミングします。
これで完成です。※今回はシネマスコープサイズ写真のつくりかたなので、色調などの編集方法は割愛しています。
いかがでしたでしょうか。もちろんレターボックスを付けたり、3:2や4:3で撮影した写真をシネマスコープサイズにトリミングするだけでもシネマスコープサイズ写真は作成できますが、どうせなら機材も導入して一歩進んだシネマスコープ写真を楽しんでみて下さい。きっと写真を今以上に楽しめるはずです。Photoshopの編集画面のスクリーンショットはあえて割愛しました。Photoshopでの編集は上記の説明を参考に皆さん自身で試行錯誤してみて下さい。その方がよりPhotoshopの基本的な操作や機能に触れることができます。
ということでシネマスコープ写真のつくりかたをまとめてみました。ぜひ参考にして楽しいシネマスコープライフを送ってみて下さい。きっと普段見ている景色が、まるで映画のワンシーンのように見えてくると思います。
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